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PEOPLE

災害看護と向き合う未来: 緑川 結佳さん

災害看護を学びたいと踏み出した一歩

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私は福島県出身ですが、東日本大震災当時はアメリカで働いていました。テレビに映し出される福島の様子に大きなショックを受け、東北人でありながら大変な状況を外からしか知らない自分、災害看護に興味を持ちながら何もわからない自分に、どこか引け目を感じるような部分もありました。 そんな自分がTOMODACHIプログラム参加したのは、このプログラムを通し、災害について学び、経験者の話を聞かせていただくことで得られるものがあるのではないかと思ったからです。実際にアメリカで災害看護に携わった方々と話をさせて頂いた中で心に残っているのは、災害に遭った地域の子どもたちや住民の方々が、災害が起きた直後ではなく、少し時間が経ってからアルコール依存症や薬物依存、非行に走るなどの傾向が多いというお話です。
話を伺ったニュージャージー州の看護師の方は、自らコミュニティに呼びかけ、子どもたちを救うプログラムを実践されています。その行動力に感銘を受けるとともに、看護師は病院で働くだけではないというイメージに変わりました。
また、アメリカの災害医療では、医療従事者自身の家族の安否確認や自分の健康管理をとても重視しています。日本で災害医療というと被害に遭われた人に焦点を合わせがちですが、医療従事者や救護に携わる方々など、被災者だけでなく支援者のケアまで広い視野で捉える大切さも学びました。

グローバルな視点で看護を実践したい

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現在は、救急救命病棟で看護師として働いています。施設の立地により、外国人の患者さんのケアを担当させていただくことも多いのですが、そこでもTOMODACHIプログラムで学んだことが役立っています。多国籍の患者さんがいるアメリカでは、病院のシステムを押し付けるのではなく、食事やお祈りの時間など、それぞれの文化的背景に寄り添った看護姿勢が根づいていました。私は、その学びを参考に、外国人の患者さんが異国でなるべく負担を感じないような看護を提供できるよう心がけています。
また 、慌てる時があっても一度冷静になり、なにが課題なのかを明確にして先輩に伝えられる今の自分があるのも、プログラムを通してディスカッションやインタビューなどの機会をいただく中で鍛えられたおかげだと考えています。
今は1年目で勉強の日々ですが、いずれはTOMODACHIプログラムで得た経験を周りに共有していくとともに、さまざまな文化的な背景にも寄り添えるグローバルな視点で看護を実践していきたいです。

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