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ストーリー
笑顔のそばに

コロナ禍での
禁煙のすすめ

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昨年4月1日に望まない受動禁煙を防止する改正健康増進法が 全面施行され、屋内では原則禁煙となりました。新型コロナウイルスに関しては、喫煙者は非喫煙者と比較して、感染した場合に重症となる可能性が高いこ とが指摘されています。ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、禁煙の大切さについてあらためてジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーのチーフメディカルオフィサーで日本呼吸器学会専門医の久保裕司先生とジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ統括産業医で経済産業省非常勤専門アドバイザーも務める岡原伸太郎先生に聞きました。

ポイント:
ポイント:
1. 自宅での喫煙は、ご家族や周りの方への受動喫煙にもつながります
2. 喫煙所は3密になることが多いです
3. オンライン禁煙プログラムなどを利用して、医師の指導や周囲のサポートを受けながら禁煙しましょう
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※撮影は、新型コロナウイルス感染が始まる前の2019年のものです

●久保裕司先生(右)
ジョンソン・エンド・ジョンソン
メディカルカンパニー チーフメディカルオフィサー
日本呼吸器学会専門医

●岡原伸太郎先生(左)
ジョンソン・エンド・ジョンソン
日本法人グループ統括産業医
経済産業省非常勤専門アドバイザー


Q:

コロナ禍で私たちの生活には大きな変化がありました。タバコに関しても、コロナを機にやめた方もいれば、反対にストレスから家庭でも吸ってしまう方もいるのではないでしょうか?

A:

久保裕司先生(以下久保先生):在宅勤務をされている方の中には、今までの喫煙の習慣がやめられず、ご家庭でも換気扇の下やベランダで吸っている方がいるかもしれません。しかし、タバコはどこで吸おうとも喫煙者ご本人だけでなく、その周りの人の健康に悪影響※1を与えます。特に副流煙には、発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などの有害物質が主流煙の数倍も含まれていることがわかっており、周りへの配慮が必要だと思います。

岡原伸太郎先生(以下岡原先生):企業理念である「我が信条(Our Credo)」で顧客・従業員・地域社会・株主への責任を掲げるジョンソン・エンド・ジョンソンでは、2019年1月から昼休みを含む勤務時間内は、社内や敷地内はもちろんのこと、顧客先や自宅での禁煙を推進する「所定労働時間内禁煙ポリシー」を実施しています。また、受動喫煙を含めて、社員を喫煙による健康被害から守るための禁煙キャンペーンや禁煙サポートプログラムを実施しています。その結果、2017年と比較し、2019年の社内禁煙率は約25%ダウンしました。

一方、世間では、改正健康増進法の施行によって多くの場所で原則屋内は禁煙となったものの、喫煙所が設置されているところもまだあります。しかし喫煙所は「密閉・密集・密接」の3密となり、新型コロナウイルスなどの感染拡大の場となる可能性も指摘されているので、喫煙所での禁煙も避けたほうがいいでしょう。

Q:

喫煙の健康に対する悪影響を理解してはいても、禁煙が続かないこともあると思います。「もっと早く禁煙しておけばよかった」と後悔される方もいらっしゃるのではないでしょうか?

A:

久保先生:「後悔される方」で思い出すのは、50代男性の慢性閉塞性肺疾患(以下「COPD」)の患者さんです。COPDは進行とともに呼吸が苦しくなる病気で、タバコと大きな因果関係があります。この方は、50代という仕事盛りの年代で、中学生と高校生のお子さんがおられました。しかし、病院を受診されたときは既に重症のCOPDとなっており、労作時の呼吸困難など症状がかなり進行していました。薬物療法を開始し、在宅酸素療法(酸素ボンベ等を携帯し、常時酸素吸入をする)導入で不自由を感じながらも、何とかお子さんが高校を卒業されるまではと仕事を続けられましたが、ご本人・ご家族とも生活に対する不安は大きく、禁煙しなかったことを強く後悔されていました。お子さんの卒業式の後病院に来られ、「どうにかここまで仕事を続けることができ、とても感謝しています」と涙ながらに報告された姿をいまだに憶えています。50代はまだまだ自分の体に自信があることもあり、自覚症状が出るまで行動変容されない方も多いですが、もっと早く禁煙できていれば、結果は大きく変わったと思います。

岡原先生:タバコの害は、すぐに痛みや息苦しさといった症状が現れないので、ご本人が危機感を持ちにくく対応が遅れがちですね。失われて初めて健康のありがたさを知るという事例が多いように感じます。

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Q:

2019年にジョンソン・エンド・ジョンソンが実施した社内調査では、「喫煙の影響で憂慮すること」として、回答者1422人のうち87.6%の人が受動喫煙を挙げました。就業時間中はジョンソン・エンド・ジョンソンの従業員は喫煙できませんが、日常生活で吸っている人に対して「吸わないでください」とは、なかなか言いづらいこともあると思います。

A:

岡原先生:他社での事例ですが、喫煙が主たる原因となり若年性の心筋梗塞を発症された方が、ご本人は禁煙したものの、職場での受動喫煙を避けることが難しく、再発を案じて退職されたという事例がありました。また、妊娠を希望している女性や、妊娠を周囲にまだ公表していない妊娠初期の女性が宴席での受動喫煙に悩んでいるという事例もよく経験します。「受動喫煙になるので喫煙をやめてほしい」と思っていても、周囲、特に部下はなかなか言い出しにくいものです。常に周囲に病気を患っている方や子供がいるかもしれない前提で、受動喫煙に配慮することはとても重要だと思います。

久保先生:女性の肺癌の方で、「タバコを吸っていないのに」という方が多くいらっしゃいます。そういった方によくよくお話を伺うと、夫がヘビースモーカーだということがよくあります。また、目の前で吸わなくても、呼気や服に残る成分によりご家族の方に喘息発作が起こることもあります。喫煙は子どもの肺の成長を阻害することも明らかとなっており、自分への害だけでは済まされないという認識を、喫煙者・非喫煙者ともに広く持ってほしいと思います。

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Q:

最近では、受動喫煙や周囲への配慮として、紙タバコから電子タバコや加熱式タバコに変えた方もいらっしゃるようです。(紙巻と併用含む)電子タバコや加熱式タバコは、ご本人にも周囲にも低リスクといえるのでしょうか?

A:

久保先生:電子タバコや加熱式タバコでも低リスクとはいえません。煙が見えにくいため誤解されがちですが、有害物質は紙タバコと同様に周囲に拡散されています。ニコチンやタールを含まない場合にも、リキッドの油の成分に有害物質が含まれていることがわかっています。アメリカでは電子タバコ使用による死亡事例がでてきました。また、電子タバコと心疾患の関連も最近報告されています。問題は、長期使用による安全性のデータがまだ電子タバコには無いということです。電子タバコについては、若年者に浸透しはじめていることも危惧される事態です。

Q:

やめたくてもやめられない方は、外来禁煙などの治療が必要となるケースもあると思います。コロナ禍で医師の受診を避けたい方もいらっしゃるかと思いますが、どのような治療方法があるのでしょうか?

A:

岡原先生:コロナ禍ではオンライン禁煙プログラムはサポートの一つになるのではないでしょうか。ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、従業員に対してオンライン禁煙プログラムを2018年の12月から取り入れており、成果を上げています。私たちが行った調査では、新型コロナウイルスへの感染を懸念し、健康診断やがん検診、その他病院への受診をためらう方もいらっしゃることが明らかになりました。皆さんの健康を守るために、コロナ禍でもぜひ適切に受診いただくことが大切だと考えていますが、オンライン禁煙プログラムはオンラインでの医師の診察や薬の処方が可能で、郵送で医薬品が自宅に送られてくるため、医療機関に出向く必要はありあせん。

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Q:

禁煙は根気強く取り組むことが大切だと思いますが、最後にこれから禁煙を始める方やサポートをされる方へのアドバスをお願いします。

A:

岡原先生:禁煙は根性とかモチベーションの問題だとおっしゃる方もいらっしゃいますが、医学的には「やめたいのにやめられない」のは依存性であり、専門家にうまく頼ることも一つの方法です。依存症の方を治療する薬物治療法もありますし、またドクターに頼らずに自らの意思で禁煙を達成したい方をサポートする市販の医薬品(禁煙ガムなどの禁煙補助剤)を活用するのもよい方法です。そしてもう一つは、あきらめないということです。吸うことが悪だとか、失敗した人は弱い人だと言ってしまうと、そもそも怖くて吸っていると打ち明けられなくなったり、嘘をついてしまうこともあると思います。喫煙をやめるためのサポートの枠組みやサポートの在り方も重要と思っています。

久保先生:禁煙に失敗した場合に、自分を責めてしまう方がおられます。やめたいと思ってやめられないのは、自分の意志の力が足りないからとか、努力が足りないとかからだとか、自分を責めてしまう人も多かったりするのですね。喫煙は病気ではありません。ただし、やめたくてもやめられず喫煙を続けているのは、依存症という病気です。まさに依存症という病気を治すという視点がご本人には必要だと思いますし、「行動変容」を起こすため、ご家族や企業を含めた周囲のサポートが大きなポイントです。


ジョンソン・エンド・ジョンソンの禁煙推進の取り組み

私たちが重視していることは、一人ひとりが異なるバックグラウンドや信念、経験を持ち寄り、その価値を認め合い、それぞれが貢献、成長し、リーダーシップを発揮することのできる、「誰もが受け入れられていると感じられる環境(You Belong)」を築くというDE&Iの観点から、従業員の自主性を尊重し、社員自らが禁煙に取り組めるような環境を会社として整備することです。禁煙をルールとして強いるのではなく、喫煙者の立場に寄り添い、どうすれば自ら進んで禁煙にチャレンジしたくなるか?という視点で禁煙推進の施策を行っています。

また、社内の禁煙に対する取り組みを更に推進すべく、『禁煙推進企業コンソーシアム』※2に2019年から参加しています。先月31日に行われたシンポジウムには、ジョンソン・エンド・ジョンソン・コンシューマーヘルス・ジャパン・プレジデントの黒木昭彦が登壇しました。その中で私たちの禁煙ノウハウを含む「禁煙白書2021」が発表されました。

【禁煙推進コンソーシアム第1部】2021年5月31日
【禁煙推進コンソーシアム第1部】2021年5月31日

  • 2007 年からは、全世界のグループ企業すべての職場を禁煙とする「職場禁煙ポリシー」を実行し、日本においても、ビルの敷地、オフィス内、社用車、会社主催のイベント、自宅などでは時間を問わず全面禁煙としました。
  • 日本では、2019 年 1 月から、昼休みを含む所定の就業時間中は社内外を問わず禁煙とする「所定労働時間内禁煙ポリシー」を実施しています。
  • 禁煙(受動喫煙)を啓発するマンスリーニュースレター“すわんすわんの日”を発信したり、CastlightというJ&J社員向けの独自の健康習慣管理アプリを使い禁煙宣言しウェビナーに参加することによってポイントがたまるプログラムを提供するなど、禁煙促進プログラムの実施しています。


※1 厚生労働省 「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」概要およびe-ヘルスネット 受動喫煙 – 他人の喫煙の影響 などによる

※2「禁煙推進企業コンソーシアム」は、健康的な社会の実現に向けて、企業内の禁煙推進に賛同し禁煙希望者をサポートするため、東京に本社や事業所を置く企業を中心に、2019年4月に発足。各社の喫煙率低下に向けた具体的な施策を共有し、定期的な情報発信をしている。