IoTなど最先端のテクノロジーを導入した医療の確立が進むなかで、これを支える物流ソリューションが従来どおり人力に頼るばかりでは、本当の意味で患者さんのための医療改革は成し得ません。ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーでは、医療機器の物流ソリューション改革こそ、いま取り組むべき重要な課題であると位置付け、高効率・高品質物流の実現に注力しています。
日本の産業界を取り巻く大きな課題として、労働人口の減少、ドライバー不足を主とした物流クライシス、高い品質基準の保持などがあります。そのような中で、従来型の物流ソリューションは、多くの場面で人力に頼る構造と言えます。発注管理、在庫管理、製品配送や回収作業などあらゆるプロセスで目視・手作業による煩雑なオペレーションが主流であるため、これらに関わる倉庫の作業員、販売代理店、さらには顧客である病院においても大きな負荷がかかる場合があります。このような課題に対してジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーでは、最先端のデジタル技術の活用による自動化・タッチレス化を促進し、よりスマートなオペレーションへ移行することで、常に最適な状態で製品を届ける新たなソリューションの確立を目指しています。
当社の物流拠点の一つである羽田ディストリビューションセンター(倉庫)では、すでにいくつかの革新的なシステムを導入し、整形外科製品のローナー支援(出荷・メンテナンス・洗浄・返却検査などの業務)において効率化を図ることに成功しています。
インプラントセット内の製品を瞬時に判別できるRFIDシステム※による在庫管理の工数を削減し、さらに製品の補充(ピッキング)をロボットが行うロボット倉庫を導入することで作業者の移動の無駄を省いた入出庫作業を実現し、現在は24時間完全自動化に向けて準備を進めています。また、通信デバイスによる輸送追跡システム現在一部実用化というテスト段階ではあるものの、新型コロナウイルスの流行などパンデミック時における輸送の確実性に力を発揮するなど、トレーサビリティの向上も推進しています。
※RFIDとは、電波を用いて製品に貼付されたタグの情報を自動で読み書きするシステムです。バーコードのように1枚1枚スキャンする必要がなく、複数のタグを一気にスキャンすることができるため、大量の製品を効率良く管理することができます。
私たちは、当社内における効率化をゴールとするのではなく、病院や販売代理店を含めた“End to End” の効率化を目指し、更なる革新を目指しています。現在、オーダープロセスを劇的に変化させ、環境面でも大幅な改善を促す以下のシステムの導入・構築を進めています。
「物流」は、私たちにとって医療を支える重要な柱の一つです。サステナブルな社会にマッチする革新的なソリューションを確立することで、ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーは、これからも医療の現場を支え、患者さんの健やかな未来に貢献していきます。