2024年10月、「My Health, Myself ― 私の健康のために、私ができること。」プロジェクトの一環で、ヘルスリテラシーをテーマにした社内セミナーを開催しました。
本セミナーでは、参加者がヘルスリテラシーについて理解しやすいよう、ヘルスリテラシーが「ある場合」と「ない場合」をドラマ仕立てのビデオで説明しました。
ビデオの内容は、健診で子宮に腫瘍がある可能性を指摘された女性が、すぐに受診して腹腔鏡で手術した場合と、受診を先延ばしにして筋腫が大きくなり、体の負担がより大きい開腹手術をすることになり、回復も遅れて入院日数が長引いた場合の、2つのシナリオで比較しました。
ビデオでは自発的な情報収集の大切さや早期受診の大切さを訴え、ヘルスリテラシー(情報収集、受診、医師とのコミュニケーション)を日常でどのように発揮できるかを伝えました。
会の後半では、産婦人科医でもある社員の出浦伊万里が登壇し、活発な質疑応答が行われました。以下にポイントをご紹介します。
<信頼できる情報とは?受診のタイミングは?>
医療情報を収集する際、まずは学会や医療機関、医師が監修している医療関係企業の情報を確認してみてください。
また、かかりつけ医や信頼できる医師を知っていると、家族の不調に関する相談などもできます。
当社が行ったヘルスリテラシー国際比較調査では、「不調や違和感が生じた時に、すぐに相談できる医療機関(医療関係者を含む)があるか」を尋ねた結果、日本は「ある」と答えた人は 53.8%でした。また、「原因がはっきりしない不調を感じた時に、どのような行動をとりますか?」という問いに対しては、日本は「様子をみる」(63.0%)が最も多く、不調の際にとまどっている様子がうかがえます。
特に小さいお子さんの場合など、いつ受診させたらいいかの判断が難しいと感じる、という声も耳にしますが、大人も子どもも、日常生活に影響が出るようなら医師に相談をするのがいいでしょう。
<受診で大切なこととは>
問診票の記入はシンプルにするのがいいと思います。必要な情報は、受診の際に医師から質問があるでしょう。また、医師に聞きたいことがある場合は、優先順位をつけてメモをしておくと安心です。
セカンドオピニオンを医師に相談していいのか戸惑う、という意見もよくあります。医師も患者さんのご不安をよく理解しています。納得のいく治療を受けることが大切なのでぜひ早めに相談してください。
参加した社員からは、「自分はヘルスリテラシーは高い方だと思っていたが、自分だけでなく周囲の人のヘルスリテラシーを上げることの重要性も再認識できた」、「今日学んだことを家族にも共有する」などの声が寄せられ、あらためてヘルスリテラシーについて意識を高める様子がうかがえました。