「あなたは今、悩んでいることがありますね」と言われると、「あのことかもしれない」と、さも自分のことを言い当てられたような気になってしまうことはありませんか?
このバーナム効果は、「誰にでも少しずつ当てはまるような、一般的なパーソナリティの記述を与えると、人々は、記述全体を自分に合っているものとして受け入れやすい傾向*1」として、社会心理学小辞典で定義されています。
「ネットに病気の体験談などが載っていると、自分の症状に当てはまるように思えてしまったりするのも、この効果によるもの*2」と言えます。
例えば、「最近おなかの調子が悪い方…」というようなメッセージをご覧になって、「そうそう自分のことだ!」と思われた方、おなかの調子が悪いのは”最近だけ”でしょうか?
実は「おなかの調子が悪い」ことを、日ごろから繰り返したりしていませんか?ご自身の状況をご自身でしっかり理解したうえで、そのメッセージが自分に当てはまるのかを考えられると良いですよね。
もちろん、自分が当てはまるかどうか不安な時もあると思いますので、その際は、医療機関で相談されるという選択肢も忘れないでください。
*1引用:古畑和孝(編).社会心理学小辞典.有斐閣.1994年.
*2引用:松村むつみ.自身を守り家族を守る医療リテラシー読本.翔泳社.2021年.