新型コロナウイルス感染症の流行で新たな生活様式が定着する中、医療受診のあり方も変わってきています。
感染を恐れて受診を避けるのではなく、自分の健康状態をきちんと把握するためにも適正なタイミングでの受診が重要です。これからの時代の医療受診について、まずは基本情報からお伝えします。
※本ページの内容は、各種機関の情報を参照した上で作成しています。なお、政府や自治体から要請や呼びかけが出ている場合はそれに従い、事前に実施機関(医療機関)にお問い合わせください。
「もしかして、新型コロナウイルスに感染したのでは……?」初期症状が普通の風邪と区別のつきにくい感染症だからこそ、ちょっとした身体の異変に不安を覚える人もいるのでは。厚生労働省は受診の目安※1を提示しています。例えば、息苦しさや強いだるさ、高熱などのいずれかが強く出ている場合や、高齢者や基礎疾患をお持ちの方など重症化しやすいと思われる方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合などです。ここに挙げている以外にも発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合も受診の目安とされています。症状には個人差があり、強い症状と思う場合にはすぐ相談するよう呼び掛けています。政府は各都道府県における相談窓口をまとめたページをサイト上で公開しています※2。ご参考になさってください。
※1 厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」
※2 首相官邸 「各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口」
「新型コロナウイルスの感染リスクがある今の時期は、予防接種を控えた方がいいのでは?」そんな風に考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、特に子どもの予防接種は感染症にかかりやすい年齢などをもとに決められているため、推奨される接種タイミングも定められています※1。厚生労働省は、予防接種を行う医療機関に対して、通常の診察時間と予防接種のみを行う時間で分けるなど、感染防止のための対策を求めています※2。接種スケジュールを遅らせる、接種をしないという選択肢については自己判断で決めるのではなく、かかりつけ医や予防接種を管轄するお住まいの自治体の担当部署にしっかり相談しましょう。
※1 厚生労働省「遅らせないで!子どもの予防接種と乳幼児健診」
※2 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う定期の予防接種の実施に係る対応について」(令和2年3月19日)
「いま、あらためて、『かかりつけ医』の役割について見直してみませんか?」厚生労働省※1や日本医師会※2も、かかりつけ医を持つことを推奨しており、そのメリットとして、継続的に同じ医師から診てもらうと、体質・アレルギーを含めた細かい点まで知ってもらうことができる、出やすい症状なども把握してもらいやすくなる、病気の早期発見や予防にもつながるなどを挙げています。また、より精密な検査や専門的な治療が必要となった場合に、適した専門医療機関を紹介してもらえることも心強い点でしょう。厚生労働省でも発熱の症状があった場合、まず『かかりつけ医』に電話相談をすることを推奨しています。かけがえのないご家族、ご自身のからだのために、『かかりつけ医』についてこの機会に考えてみてはいかがでしょうか。
※1 厚生労働省「「かかりつけ医」とは?」上手な医療のかかり方.jp
※2 公益社団法人 日本医師会「かかりつけ医を持ちましょう」
「具合が悪いけどすぐに病院に行くべき?」そんなときは、救急安心センター事業『♯7119』へ電話で相談してみてはいかがでしょうか。症状に応じて、医師や看護師、相談員からアドバイスを受けることができます。緊急性が高いと判断された場合は、迅速な救急出動につないでもらうこともできます。また、緊急性が高くないと判断された場合にも、受診可能な医療機関や受診のタイミングについてアドバイスしてもらえます。消防庁は「♯7119」の活用で、緊急性の高い傷病者の元にいち早く救急隊が駆けつけることができるとしています。なお、本項の記述にあたっては、 総務省消防庁「救急車の適正利用」を参照しました。実施エリアなど詳細は参照元サイトをご確認ください。