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不整脈・心房細動とは?

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動悸や息切れ、胸のドキドキなどの症状は、不整脈の可能性があります。そして、様々な不整脈の種類の中でも、脈が速くなる頻脈性不整脈の心房細動という病気があります。ここでは、不整脈・心房細動が引き起こる理由や症状、リスクなどについて詳しく紹介します。

 

【監修】
慶應義塾大学医学部
循環器内科 准教授
高月 誠司 先生

不整脈・心房細動とは?

 

 

不整脈

 
正常な心臓の働き

心臓は血液を全身に送り出すポンプ機能を果たしており、酸素や栄養分を全身に供給しています。心臓から送り出された血液は、全身に酸素と栄養分を届けて不要になった二酸化炭素や老廃物を回収し、心臓に戻ります。肺で二酸化炭素を排出し、酸素を取り込んだ血液は再び心臓から全身に送られます。
心臓は筋肉の壁でできた袋のような臓器で、4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)からできています。そして洞結節と呼ばれる“発電所”から、電気信号が規則的なリズムで送られ、その電気信号が房室結節という“変電所”で調整されて心室に伝わります。電気信号が伝わると心臓の筋肉は収縮するため、心臓は心房、心室の順に規則的に動きポンプとして機能しています。

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“正常な心臓の働き”イメージ

不整脈とは?

不整脈とは、洞結節と呼ばれる“発電所”から送られ房室結節という“変電所”で調整されて心室に伝わる電気信号やその伝わり方に異常が生じるもので、心筋梗塞、弁膜症、心不全など心臓に病気がある方のみならず、高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症・慢性腎臓病などの病気に伴って起きたり、そういう病気がなくても運動やストレス、加齢や肥満などによって起こることもあります。不整脈のタイプによっては、治療の必要がないものから、突然死の原因になるものまで幅広いのも特徴です。

不整脈の症状

不整脈は、胸がドキドキする動悸や息切れ、めまい、不快感などの自覚症状がある人だけでなく、健康診断で指摘されるまで気づかない人もいます。自覚症状がなくても、放置することで危険な不整脈に移行してしまうことがあるため、早期に医療機関で検査を受け、診断、治療を始めることが大切です。

心房細動

 
心房細動とは?

心房細動は不整脈のひとつで、異常な電気信号が洞結節以外から発生し、心房が無秩序に興奮し、痙攣状態になるものです。結果的に心室の拍動も速くなり、脈の回数が1分間に100〜120回程度となりますが、それほど脈の回数が上がらない方もいます。

心房細動の症状

自覚症状では、動悸(胸がドキドキする)がしたり、めまいや脱力感、胸の不快感や呼吸しにくい感じがすることもありますが、自覚症状のない方も少なくありません。加齢に伴って発症しやすい病気のひとつといわれていますが、働き盛りの世代でも発症することがあります。女性よりも男性に多く、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、心不全、僧帽弁疾患、甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸、加齢、メタボリック症候群、飲酒などが心房細動のリスク因子となります。

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心臓の正常時と心房細動時の比較イメージ

不整脈の種類と不整脈と心房細動の違い

 
不整脈には、大きく分けて脈が1分間に100回以上の頻脈、50回以下の徐脈、脈が跳ぶ期外収縮の3つがあります。
不整脈の中でも、右心房と左心房の部屋が不規則に機能し、脈が速くなる頻脈性不整脈タイプが心房細動です。

 

不整脈の種類

主な不整脈の種類

脈が速くなる不整脈(頻脈)

発作性上室頻拍(WPW症候群など)、心房細動、

心房頻拍、心房粗動、心室頻拍、心室細動 など

脈が遅くなる不整脈(徐脈)洞不全症候群や房室ブロックなど
脈が跳ぶ不整脈(期外収縮)上室期外収縮、心室期外収縮

自分でもすぐできる不整脈・心房細動チェック

不整脈は動悸や息切れなどの自覚症状がない人もいます。家庭で定期的に自分の脈拍に乱れがないかをチェックしましょう。

不整脈・心房細動チェックのイメージ

  1. 手首の内側の親指側に人差し指、中指、薬指の3本の指をあてます。
  2. 骨の内側で脈が触れるところを探します。
  3. 15秒程度、脈が時計の秒針のように規則正しく打っているかどうかを確認します。
  4. 脈が不規則に乱れる、脈が速くてとりにくいなど、脈が規則正しく打っていない場合は、早期の検査が必要です。

脈拍チェック(①〜④)の出典: 心房細動週間ホームページ

不整脈でお困りの方は、かかりつけ医に相談のうえ、不整脈専門医(日本不整脈心電学会認定)の診察を受けましょう。

心房細動の合併症

心房細動はそれ自体がすぐに死に至る病気ではありません。しかし、心房が小刻みに震えることで、血液が心房内に滞ると、血液が固まって血栓ができやすくなります。この血栓が脳に運ばれると、脳梗塞を引き起こします。また、血流や心臓のポンプ機能が低下して心不全を招いたりすることがあり、注意が必要です。

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心房細動から脳梗塞を引き起こすイメージ

 

心原性脳梗塞(心原性脳塞栓症)

 
脳梗塞は、脳の血管が狭くなったり、詰まったりすることで脳に酸素や栄養が送られなくなり、脳の細胞が損傷してしまう病気です。

心原性脳梗塞は心臓に血栓ができて、それが脳に運ばれ、脳梗塞を起こすものです。

特に心房細動では大きな血栓が脳まで運ばれて心原性脳梗塞を引き起こすことがあります。心房細動が原因となる心原性脳梗塞は、他の脳梗塞よりもダメージを受ける脳の範囲が広いため、予防が肝心です。

 

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心不全

心不全とは、心臓の機能が低下しているために、血液の循環が悪くなり、息切れやむくみが起こり、症状がだんだん悪化する病気です。心房細動で心拍が速い状態が続くと、心室の収縮機能が低下、つまり心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液を十分に送り出すことができなくなり、心不全を起こすことがあります。 
 

不整脈・心房細動の早期発見と治療の基礎知識

 
健康診断や人間ドックを控える方が増えているといわれています(2021年に調査した健康診断・人間ドック、がん検診、医療受診に関する調査を是非ご覧ください)。

心房細動は早期発見・治療が重要な病気です。適切なタイミングでの受診をおすすめします。また、血圧計で定期的に脈を計測するなど、セルフチェックも重要です。スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスでも心電図の記録が可能です。

心房細動の検査

 
心房細動の検査では、心電図検査、24時間心電図検査、心エコー検査、また原因となる病気の有無を調べるために甲状腺機能や血液の検査などが行われます。

循環器・不整脈の専門医である、慶應義塾大学病院 循環器内科 准教授 高月 誠司 先生に、不整脈や心房細動の早期発見や治療のポイント、日ごろの備えなどについて解説していただきました。

解説動画はこちらでご覧いただけます

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