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WELL-BEING

脳梗塞の再発予防へのチームアプローチを支援する~J&J メディカル カンパニーが目指す「脳心連携」とは

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脳卒中のなかでも再発率が高く、高齢者の寝たきりの原因の1つにもなっている、心房細動などの心臓疾患を原因とした脳梗塞。ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーは、脳と心臓のつながりに着目した治療や予防医療によって不整脈を原因とする脳梗塞の再発を防ぐ「脳心連携(のうしんれんけい)」の推進に取り組んでいます。

J&J メディカル カンパニーは、メドテックのリーディングカンパニーとして、医療機器製品やソリューションの提供を通して、医療環境向上への貢献を目指しています。今回は、数多い取り組みのなかでも先進的な挑戦として注目度が高まっている「脳心連携(のうしんれんけい)」について紹介します。

脳心連携とは?脳神経外科と循環器内科が連携する「脳心連携チーム(ブレインハートチーム)」について

  
一般の方はもちろん、医療に関わる方でも、「脳心連携」という言葉は初めて聞いた・聞き慣れない……という方も多いのではないでしょうか。

まずは「脳心連携」の意味、そして実際にそれを行う「脳心連携チーム(ブレインハートチーム)」について紹介します。

脳心連携とは、脳と心臓のつながりに着目した治療や予防医療

  
日本の医療機関では、内科と外科、さらに臓器や体の部位ごとに診療科が分かれ高い専門性に基づき診療が行われているのが一般的ですが、疾患によっては複数の診療科の領域が関わっていることもあります。

たとえば、要介護になってしまう原因の第2位として知られる脳卒中(※1)。脳卒中の約3/4を占める脳梗塞では、心臓(循環器)の疾患である「心房細動」などが原因となっている心原性の症例が25~30%(※2)含まれており、退院後にも再発しやすいことが問題となっています。

こういった心原性の脳卒中(心原性脳塞栓症)の患者さんを脳神経外科から循環器内科へ紹介し、脳梗塞をもたらす心房細動や血栓の治療を行うことで再発予防が期待できます。

脳神経外科と循環器内科が連携を取り合いシームレスな治療や患者さんのケアを行う「脳心連携」が、いま先端の取り組みとして注目されています。

心原性脳塞栓症は再発リスクが高い

  
心房細動が起きると、心臓の中で血流に乱れが生じ、血液が固まって血栓ができやすくなります。その血栓が血流に乗り脳の血管に詰まってしまうと、脳梗塞になります。

心臓内でできるサイズの大きい血栓は脳の太い血管に詰まりやすく、心原性脳塞栓症は他のタイプの脳梗塞と比較して重症化しやすく、死亡率も高い傾向があります(※3)。

  

※「はじめに知っておきたい心房細動のこと」は0:21~をご確認ください。
  
心房細動は半数近くが無症状で、発作が起きても診断が難しいケースもあります。不整脈を原因とする脳梗塞の継続的な再発防止のためには、循環器内科での定期的な検査と心房細動の管理、必要に応じた根治治療をしっかりと行っていくことが理想的です。

全人的な治療に取り組む「脳心連携チーム(ブレインハートチーム)」

再発リスクの高い心原性脳塞栓症に対しては、脳神経外科で早期に脳の治療をすることに加え、循環器内科での心房細動の早期発見・早期治療が重要です。

上記のような、急性期の脳梗塞治療から再発予防のための高度な医療まで途切れのない医療を提供するため、脳神経外科と循環器内科など、脳の専門家と心臓の専門家が診療科の枠を超えて密な連携を図ることを「脳心連携チーム(ブレインハートチーム)」などと呼びます。

【ブレインハートチームでの脳心連携モデル】

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なぜ今J&Jが脳心連携に取り組むのか

  
J&J メディカル カンパニーがいま、脳心連携に関するソリューションの提供や世の中への周知などに率先して取り組む理由や背景を、セレノバス事業部・北爪寧事業部長に聞いてみました。

  

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ー セレノバス事業部 事業部長・北爪寧 ―

  

~セレノバス事業部とは~
 
J&J メディカル カンパニーの4つの事業部のうち、脳卒中などに関わる脳血管疾患領域を担当する事業部です。

「脳卒中の発症を患者さんの人生の足かせにしてはならない」という想いで脳血管障害の治療に使われる塞栓用コイル、国内初となる頭蓋内ステント、急性期虚血性脳梗塞の血栓除去デバイスの開発を通じ、脳卒中治療の発展を支えています。

ーーJ&Jで脳心連携を推進する背景や、社会の動きを教えて下さい。

「脳梗塞の治療法には、血栓を溶かす薬を点滴で送り込む血栓溶解療法と、詰まった血管にカテーテルを通して血栓を絡めとる血栓回収療法があります。近年、後者の普及により脳梗塞患者の予後が改善(※4)したことで、患者さんや医療関係者から、再発防止への関心が高まってきています

「また2019年12月には脳卒中・循環器病対策基本法が施行され、行政を含む関連主体が循環器病予防や治療普及・啓発・医療の提供体制の充実を目指す取り組みを開始しました。年再発19.6%(※5)と高い心原性脳梗塞症についても、より高度な心房細動管理が求められています」

「これらを受けて、脳神経領域の機器やソリューションを展開するJ&J メディカル カンパニーのセレノバス事業部でも、救急隊向けに脳卒中対応のセミナーを実施するなど普及・啓発に取り組んでいます」

「脳」と「心臓」両面からの脳卒中予防についてもっと詳しく知る

J&Jの新たな挑戦。2023年脳心連携メディアセミナーに注目集まる

  
続いて、カーディオバスキュラー スペシャルティ ソリューションズ 大多和裕志バイスプレジデントに、最近のJ&Jの活動について聞きました。

 

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ー カーディオバスキュラー スペシャルティ ソリューションズ
バイスプレジデント 大多和裕志 ―

  

~カーディオバスキュラー スペシャルティ ソリューションズとは~

循環器および脳血管に関わる疾患を専門とする部署です。

そのうちの一つ、バイオセンス ウェブスター事業部は、J&J メディカル カンパニーの4つの事業部のうち、心疾患領域(不整脈)を担う事業部です。

患者さんに安全で身体への負担が少ない心房細動のカテーテルアブレーションを提供するため、高度で複雑な医師の手技を支援する技術を採用した製品開発を続け、治療の普及に努めています。

ーー直近での取り組みで注目すべきものはありますか?

「はい。2023年3月にメディアセミナー「脳神経外科・循環器内科の診療科間連携『脳心連携』の挑戦 ~香川県における先進事例を紹介~」を開催しました。香川県および香川県立中央病院における脳心連携の事例として、2022年12月までに48例の脳梗塞患者さんが循環器内科に紹介され、うち41例で塞栓源の検索や心房細動の治療、抗凝固療法の調整などに至ったこと、またJ&J メディカル カンパニーが提供する、心房細動の根治を目指すカテーテルアブレーション治療の技術等についても紹介し、大きな反響がありました」

  

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ーーメディアや業界からの反応はどうでしたか。

「そうですね、セミナー後から取材や掲載も少しずつ増え、徐々に注目度が上がっていることを感じます。現在、AERAdot.で脳心連携についてのさらに詳しい記事を展開していますので、ぜひそちらも参考にしてほしいと思います」

よりよいヘルスケア環境構築へ、J&Jの挑戦は続く

  

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今後、脳卒中・循環器病対策基本法に基づき、脳梗塞治療のさらなる発展、また、脳梗塞の原因の一つである心房細動の早期発見と治療がますます重要な課題となってくることが予想されます。

 
J&J メディカル カンパニーでは今後もポートフォリオを生かして医療機関等とも広く連携して、脳心連携についての知識と技術の普及をリードし、よりよいヘルスケア環境の構築に向け尽力していきます。

「脳」と「心臓」に関する情報を見る

  
※1 厚生労働省|平成28年 国民生活基礎調査の概況

※2 脳卒中データバンク2021

※3 奥村謙ほか、心電図2011; 31: 292-296

※4 Goyal M, Lancet 2016

※5 HATA, J.et al.: J. Neurol.Neurosurg.Psychiat, 2005

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