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DE&I

時代はD&IからDE&Iへ-公正性と平等の違いとは?

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多様性をインクルーシブに取り込む「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉は、社会・政治・経営課題として認知が広がってきています。ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、「エクイティ」(公正性)の考え方をより明確にした「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ & インクルージョン)」を推進しています。

推進のためには、「誰でも、今日から始められる行動」を積み重ねていくことが大切です。ジョンソン・エンド・ジョンソンの有志社員グループで構成する「WLI(ウィメンズ・リーダーシップ&インクルージョン)」の共同リーダーである加藤ゆう里さんと大多和裕志さんが私たちのこうした考え方と「自分が今日から始める行動」について、ハフポスト日本版のポッドキャスト番組『SDGsを仕事に活かす~気候危機、ジェンダー、人権の「矛盾」に挑むビジネスパーソンたち~』で語りました。 番組内での内容をハイライトしながら、ジョンソン・エンド・ジョンソンの考えるDE&Iについて、また「平等」と「公正」の違いについて解説します。

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WLI共同リーダー / ファーマ株式会社 取締役CFO
経営企画本部本部長 事業開発本部 本部長*1
加藤 ゆう里

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メディカル カンパニー バイオセンス事業部 営業部 営業本部長*2
大多和 裕志

D&Iになぜエクイティ(公正性 / Equity)を加えるべきなのか

ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、「我が信条(Our Credo)」に基づいたDE&Iを経営上の重要な戦略と位置づけ、トータルヘルスケアカンパニーとしての顧客への貢献に向け、社員一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できる環境作りをしています。

そこで重要になってくるのが、We All Belong――誰もが価値を感じ、貢献し、成長し、リードする機会を得られる環境の中で、異なる背景、信念、経験を持つ人々を結びつけること。そして成功を阻む障壁を特定し、排除する努力をすることで、だれもが可能性を最大限に発揮できるようになり、より健康的な世界を創造するためのイノベーションに貢献することができる――という考え方です。

上記のうち、「成功を阻む障壁を特定し、排除する努力をすることで、だれもが可能性を最大限に発揮できるようになる」という部分が、まさに私たちが注力するエクイティの考え方を表しています。

「エクオリティ(平等)」と「エクイティ(公正性)」の違いとは?

 

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個々の障壁やニーズにあわせてツールやリソースを調整することがエクイティ(公正性)の本質

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D&IやDE&Iについて考えるとき、よく似ているけれども異なる2つの言葉・概念があります。
それは「エクオリティ(平等)」と「エクイティ(公正)」です。

 

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加藤さん:エクオリティ(平等)とは、各自のコンディションや障壁にかかわらず、すべての人に同じツールやリソースを与えることであり、エクイティ(公正性)とは、一人ひとりの固有のニーズに合わせてツールやリソースを調整し、誰もが成功する機会を得られるように組織的な障壁を取り除いていくことです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンではこの「公正性」について、経営層からすべてのレベルの社員までパフォーマンスゴールに設定し、社内の文化醸成に強くコミットしていきます。

平等と公正性の違いを、具体的な例でいうなら次のようなイメージです。
近視の人とそうでない人たちが集まり、壁に漢字のテストを貼りだして、全員が5メートル離れた位置から裸眼で読むとします。この状態は「エクオリティ(平等)」に当てはまり、条件は確かにみんな平等とはいえ、近視の人たちは眼鏡がないとよく文字が見えず不利ですよね。
一方「エクイティ(公正性)」の考え方では、近視の人たちにはまず、眼鏡やコンタクトレンズで矯正してから5メートル離れた位置に立ってもらいます。すると、眼鏡のいらない人たちと同じように「漢字が読めるか」という能力で勝負できるようになります。
このように、個々の障壁やニーズにあわせてツールやリソースを調整することがエクイティ(公正性)の本質です。

 

平等(Equality)と公正(Equity)の違いとは?

一人ひとりが「違い」によって制限されることなく同じ空間で一緒に楽しめること

誰もが自分の能力を最大限に発揮できる環境の中で公正に評価され、チャレンジできること
 

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ただし、エクイティ(公正性)を保証するといっても、あくまでも「文字が見える」ところまでで「そこに書かれた漢字が読める」という成果までを保証するものではありません。読める(ゴールが達成できる)かどうか)はその人次第であり、会社はその人が最大限の力を出せるような状況をととのえ、達成をサポートするのみです。成果は個々の資質次第という点で、競争の公平性も保たれています。

 

国際女性デーにちなんだDE&Iにもとづくジェンダーダイバーシティ

 
3月8日の国際女性デーに行われたこのインタビューでは、グローバルな企業であるジョンソン・エンド・ジョンソンの社員からみた日本のジェンダーダイバーシティ(性別と働き方の多様性)についても言及しています。

2020年の日本のジェンダーギャップ指数は全153か国中121位、主要先進国では7ヵ国中最下位であり、企業の管理職に就任する女性の割合は、諸外国が50%を超えているのと比べてはるかに低い15%前後にとどまっています*3。

 

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加藤さん:日本のダイナミクス(力関係)は、男性や会社・役員など、他者が女性を支援するという構図が多いと感じています。昨今はバランスが変わりつつあるものの、まだ多くの企業や団体ではそのマインドセットが抜け切れていない印象です。

真の多様性や包括的な支援のカルチャーとは、女性も男性も自分の力で次の世代や隣の人を支援できる環境をいいます。最終的には男性も女性等しくサポートしあえる状態をめざすべき…というのが、ジョンソン・エンド・ジョンソンのDE&Iにもとづく考え方です。

DE&Iを実現するために個々として、リーダーとしてできること

 
ジョンソン・エンド・ジョンソンが考えるDE&Iや個の多様性を体現した職場づくりには、目標を定めるだけでなく、足元で1つ1つの取り組みを進めていく必要があります。具体的にはどのようなことが私たちにできるのでしょうか?
 

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大多和さん:もっとも大切なのは、私たちが提供するサービスや製品の土壌となる組織そのものが公正性をしっかりと持っておくことです。そのためにリーダーや管理職にできることは、企業の役員の比率を男女同数にするといった大きなことだけではなく、会議のメンバーやリストの並び方など、目の前のことから1つずつ「見える景色」を変えていくことが必要だと思っています。

また、現在ある業務の延長線上で女性活躍推進を考えるのではなく、男女を問わず新しい役割や業務内容を作り、さまざまなライフイベントや働き方に対応できるように備えていくことも必要です。

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加藤さん:各自が自分の立場、環境、信条の中で、自らの持つ影響力を理解し、活かし方を考えていくことが大切です。
リーダーシップのポジションにいる人は、無意識なジェンダー固定にもとづく習慣を大きな規模で変えていくことが可能ですし、一般の社員は、組織や上司が変えてくれるのを待つのではなく、仕事のしくみや枠組に対して違和感を抱いたときに「おかしい」と言えるよう、また周りに対しても発言できる雰囲気を作ることから始めてみてはどうでしょうか。

対立するのではなく、シェアする成功、つまり自分の成功=他者の成功、発展という考えかたが広がっていくと、本当に意味でDE&Iが実現するといえます。

DE&Iを次の世代へ。ジョンソン・エンド・ジョンソンのメッセージ

 

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自分の可能性を最大化する過程で、1人で頑張るのではなく、自分がしたいことに対してどのような周りのサポートが必要なのか、言語化して伝えられるようにしてほしい

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最後に、これからの社会を作っていく若い世代に向けてのメッセージを2人に語ってもらいました。

 

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大多和さん:いまの子供たちの学ぶ環境は比較的正常なジェンダー観に基づいているにもかかわらず、社会に出てみるるとジェンダーダイバーシティの景色がいびつであると個人的に感じています。それは私たち大人が作ってきたものでもあります。子供たちや次世代のためにも、1人の大人として、これから責任を持って多様性の正常な環境を作っていきますので、期待していて下さい!

また、皆さんが社会に出たときに、すでにあるものが全て正しい訳ではないという視点を持ち、出会った事象を検証しながら新しいものを作っていけば、日本の未来は明るいと考えています。

 

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加藤さん:夢と可能性は無限大です。ぜひ大きな希望を持って、自分の可能性を最大化していって下さい。しかし、その過程では1人で頑張るのではなく、自分がしたいことに対してどのような周りのサポートが必要なのか、言語化して伝えられるようにしてほしいと思います。声を上げることで、組織や社会まで届く大きなムーブメントとなっていく体験はきっと素晴らしいものとなるでしょう。

*1 所属・役職はインタビュ-の実施された2020年時点のものとなります
*2 所属・役職はインタビュ-の実施された2020年時点のものとなります
*3 Global Gender Gap Report 2020
 

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