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History

ジョンソン・エンド・ジョンソンと感染症対策の歴史

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スペイン風邪大流行の時の感染予防マスクから、新型コロナウイルスのワクチン開発まで、ジョンソン・エンド・ジョンソンが一世紀以上にわたって世界の公衆衛生で果たしてきた役割についてご紹介します。

1.

公衆衛生を地域社会にもたらした初代最高科学責任者フレッド・キルマー

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初代最高科学責任者フレッド・キルマー

Image Courtesy: Johnson & Johnson Archives

伝染病やパンデミック防止において公衆衛生は重要です。1889年に初代最高科学責任者としてジョンソン・エンド・ジョンソンに入社したフレッド・キルマーは、まだ公衆衛生に対する意識が低かった時代に、公衆衛生の考えを地域社会に浸透させた人物です。

まず行ったのは、私たちのグローバル本社のある米国ニュージャージー州ニューブランズウィックでの下水処理の整備です。未処理の家庭排水が側溝から町の小川に流れ込み、致命的な病気のまん延につながっていることに気付いたキルマーは、1880年にニューブランズウィック衛生局を共同で設立し、市に下水処理を導入しました。また、市の上下水道システムの改修や病害対策の改善に取り組み、衛生に関する啓発活動を行いました。

キルマーは、さらなる公衆衛生の啓発活動に取り組みました。

「彼の指導の下、ジョンソン・エンド・ジョンソンは『家庭の医学ハンドブック』など、科学的知見に基づいた文献を発行しました。これらの文献には、病気の症状を認識する方法、医師の診察を受けるタイミング、ジョンソン・エンド・ジョンソンの製品を使って家族の健康を守る方法などのアドバイスが記載されていました」と、ジョンソン・エンド・ジョンソンの社史担当のマーガレット・グロウィッツ氏は振り返ります。

また、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、1890年代後半から1900年代初頭に、消毒剤、消毒殺菌石鹸などの製品を発明することで、感染症や伝染病の拡大抑制に貢献しました。さらに、家や公共施設を殺菌する燻蒸消毒器や、犬などの動物に発生する害虫を除去する専用の石鹸も開発しました。

その後、1910年代、キルマーの提案により、ジョンソン・エンド・ジョンソンは全国の開業薬局と協力して、毎年3月に行われる全国的な「清掃週間」を立ち上げました。春の清掃を普及させ、住民が屋内や家の周辺を消毒することで、周囲を清潔に保つことの大切さへの意識づくりに役立ちました。

2.

天然痘流行時に会社負担で従業員の予防接種を行う

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天然痘ワクチンについての従業員へのお知らせ(1901年)

Image Courtesy: Johnson & Johnson Archives

1901年から1903年まで、天然痘は米国東海岸を席巻しました。感染者10人のうち3人が死亡し、生き残った人々も体の大部分に重度の*瘢痕(はんこん)が残りました。
職場での予防接種がまだ珍しかった時代にジョンソン・エンド・ジョンソンでは、会社が費用を負担して1日500人以上の従業員に予防接種を行いました。

「私たちは常に、従業員一人ひとりに対して責任を果たしてきたことを誇りにしてきました。予防接種は、従業員の安全を確保する手段でした」とグロウィッツ氏は語ります。

この「従業員への責任」という考えは、1943年に、私たちの経営理念である「我が信条(Our Credo)」の一部として明文化されました。従業員の健康の健康があってこそ、顧客、地域社会、さらには株主に対する責任を果たすことができるという考え方は、コロナ禍の現在も引き継がれており、健康増進のための様々なプログラムを従業員に提供しています。

3.

スペイン風邪大流行で感染予防マスクを大量生産

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当時ジョンソン・エンド・ジョンソンが生産した感染症用のマスク

Image Courtesy: Johnson & Johnson Archives

1918年から1919年のスペイン風邪の世界的大流行は、歴史上最多の犠牲者を出した感染症のひとつです。世界で約5億人が感染し最大5000万人が亡くなりました。

「当時、ジョンソン・エンド・ジョンソンではすでに外科用マスクを生産していたため、感染予防マスクの大量生産を開始しました。インフルエンザ大流行から人々を守り、感染拡大をするために防止不可欠でした」とグロウィッツ氏は指摘します。

現在のような不織布マスクなどがない時代に、数層の滅菌ガーゼ(これもジョンソン・エンド・ジョンソンの発明品)で作られていたマスクは、細菌を遮断して、インフルエンザウイルスへの感染を防ぐことに役立ちました。このマスクは、後に肺炎、しょう紅熱、麻疹、百日咳、ジフテリア、髄膜炎、結核などの流行時にも使用されました。

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「公衆衛生が飛躍的な進歩を遂げた1960年代および70年代以前から、腸チフス、ジフテリア、天然痘、麻疹、ポリオ、インフルエンザなどの伝染病は、米国市民に多大な影響を与えてきました。そのため、このような病気の予防策や感染拡大防止策についての啓発が不可欠でした」

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4.

感染症撲滅への貢献

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結核プログラムの一環として家庭訪問(ベトナム)

最高科学責任者であるポール・ストッフェルス博士の下、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、新しい治療法とワクチンの開発を通じて、感染症防止や根絶に取り組んでいます。

結核用新薬が発売されてからほぼ半世紀が経過した2012年、ジョンソン・エンド・ジョンソンは多剤耐性結核(MDR-TB)治療用の新しい薬剤を併用療法の一環として発売し、以来、140ヵ国以上の患者さまに薬剤治療を提供してきました。また2020年初めに、米国食品医薬品局(FDA)は小児用製剤を承認し、MDR-TB に苦しむ若年層にも対応できるようになりました。*1

2020年7月には、ジョンソン・エンド・ジョンソン・グループのヤンセンファーマが開発した2回接種エボラ・ワクチン治療計画が、欧州委員会より製造販売承認を得て、ヤンセンのパイプラインで主要な規制承認を得た初のワクチンとなりました。 *2

また、ヤンセンファーマは米国で、Covid-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に対してのワクチンを開発しました。

*1:日本では小児用製剤は未承認です
*2:エボラ熱ワクチンは、日本では未承認です

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