Skip to content
Heart icon (animated) heart icon (static)
健康寿命延伸で幸せに暮らす健康長寿の人のイメージ alt
シェア
WELL-BEING

生きがいや、つながりがもたらす健康寿命の価値とは

シェア
日本は世界一の長寿国といわれています。毎年9月の第3月曜日を「敬老の日」として定め、“長寿を祝い、国民が高齢者の福祉に関する理解を深め、高齢者自身のQOL向上のためのモチベーションを高める日”と設定*1しているほど、日本での”長寿”は重要なテーマとなります。
厚生労働省の「簡易生命表(令和4年)」*2によると、平均寿命が最も長い国は日本で84.07歳でした。健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」もWHOが2023年に発表したレポートによると2019年時点、日本がトップで74.1歳*3ですが、平均寿命と約10年の開きを縮めることが課題になっています。人生100年時代と言われる今、健康寿命の延伸には健康だけではなく、人や地域とのつながりや、生きがいを持つことが大切だと言われています。健康寿命の延伸に取り組む自治体の例を見ながら、健康についてあらためて考えます。

長寿、滋賀県の地域とのつながりを実感できる施策

健康寿命を伸ばす取り組みは、長寿の地域の取り組みが参考になりそうです。2020年の都道府県別の平均寿命*4は、男性は滋賀県が82.73歳とトップ、長野(82.68歳)、奈良(82.40歳)と続きます。女性は岡山の88.29歳がトップ、滋賀(88.26歳)、京都(88.25歳)です。

都道府県別の平均寿命ランキング

expand

出典:厚生労働省「令和2年都道府県別生命表の概況」

長寿男性1位、女性2位の滋賀県の取り組み*5を紹介します。実は滋賀県は、かつて平均寿命は全国の平均以下でした。県民への健康や栄養についての調査を行い、データ分析し、健康づくりの施策を行ってきたのです。

滋賀県の取り組みで注目すべき点は、禁煙などの健康づくりの施策に加え、いきがいや地域とのつながりを実感できる施策にも力を入れていることです。その一つが、県が運営する「レイカディア大学」*6です。1978年に開設され、60歳以上が対象のこの大学は、園芸や観光ボランティアガイドなどシニア世代が地域の歴史や健康への知識をつけ、地域づくりの担い手になることが狙いです。県内2カ所にキャンパスがあり、受講期間は2年、健康や地域活動について学びます。

このほか、滋賀県は食生活を通した健康づくりを進めるボランティア組織も発達しています。ボランティアでつくる「健康推進員」が、地域の公民館でバランスの取れた食事の啓発や、特定健診等の受診推奨活動、保育所などでの受動喫煙防止の啓発など健康づくり全般の活動を行っています*7

県や市町村、関係団体のほか地域住民が参加する、生きがいやつながりの視点も取り入れた総合的な健康への取り組みが長寿の秘訣と言えるのかもしれません。

Quote icon (top)

生きがいやつながりの視点も取り入れた総合的な健康への取り組みが長寿の秘訣

Quote icon (bottom)

健康寿命トップの都道府県は?

厚生労働省*8によると、2019年の都道府県別の健康寿命は、男性は大分県が73.72歳とトップ、山梨(73.57歳)、埼玉(73.48歳)と続きます。女性は三重県の77.58歳がトップで、次いで山梨(76.74歳)、宮崎(76.71歳)です。

都道府県別の健康寿命

expand

expand

出典:厚生労働省 健康寿命の令和元年値について

男女とも2位にランクインした山梨県では、「健康長寿やまなしプラン」*9を策定しています。高齢者が役割や生きがいを持ち、楽しみを感じながら社会参加するための人材バンクの登録者数や、フレイル予防を実践する市町村数など目標値を設定し、県と市町村、健康づくりに取り組む団体が連携して健康寿命延伸に取り組んでいます。

男女ともに健康寿命上位の山梨県の取り組みも、高齢者が自分らしく生きがいを感じられるような健康長寿への施策が展開されています。これらの健康寿命延伸に取り組む自治体の例から、人生100年時代のQOLを向上させるには心身ともに健康な状態あることの重要性がうかがえます。

健康寿命延伸に貢献するためのプロジェクト「SHAI」

expand

健康寿命を延ばすために、国は「健康寿命延伸プラン」*10を策定、2040年までに健康寿命を男女ともに2016年比で3年以上伸ばし、75歳以上にすることを目指しています。厚生労働省が展開する「スマート・ライフ・プロジェクト」*11では、食事、運動、健診、禁煙の4つの柱で具体的なアクションを呼び掛けます。運動では「毎日プラス10分の身体活動」として、10分の早歩きなどを推奨します。また、生活習慣病の予防に一日350gの野菜の摂取、定期的な健診で健康状態を確かめることも呼び掛けています。

国や自治体が健康寿命を延ばす取り組みを進める中、ジョンソン・エンド・ジョンソンでは誰もが平均寿命と健康寿命の差を縮め、健康で豊かな生活を送るために「スマート・ヘルシー・エイジング・イニシアティブ(SHAI)」を推進しています。SHAIの産官学連携の取り組みの1つとして、2022年にはビジョン(眼科)、オンコロジー(がん領域)、整形外科(変形性関節症を含む)、デジタル手術、脳血管系疾患の5つの分野で開催しました。SHAIのほかにも人生100年時代を見据え、治療と仕事の両立を支援する「サステナブル・ワークスタイリング」を発足し、他企業の社員を対象にもワークショップを開催したり医療機器部門であるメディカル カンパニーでは病気の早期発見・治療に向けた健診・がん検診の受診を後押しする取り組みを進めていたり、QOLの向上に貢献するよう取り組んでいます。

超高齢化社会が続く日本。一人ひとりが健康で充実した日常生活を送ることができるように、社会全体が意識を高めることが大切です。

参考文献

*1 厚生労働省 国民の祝日「敬老の日」の設定について

*2 厚生労働省 「簡易生命表(令和4年)」

*3 World health statistics 2023: monitoring health for the SDGs, sustainable development goals

*4 厚生労働省 令和2年都道府県別生命表の概況

*5 滋賀県の平均寿命・健康寿命について

*6 Public Relations office Government of Japan 「男性の平均寿命が全国1位! 滋賀県の長寿の秘けつ」

*7 滋賀県健康推進員団体連絡協議会

*8 厚生労働省 健康寿命の令和元年値について

*9 山梨県 健康長寿やまなしプラン

*10 厚生労働省 健康寿命延伸プラン

*11スマート・ライフ・プロジェクト(厚生労働省運営)

関連コンテンツ

Back to top