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心理的安全性を高めるグループワークを開くチーム alt
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WELL-BEING

心理的安全性を高め、強く成長し続ける組織を目指すJ&Jの取り組みとは?

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組織の中で、自分の考えや意見を、誰に対しても不安なく発言できる状態である「心理的安全性」が企業で注目されています。心理的安全性の高い組織は、イノベーションの創出や生産性を高め、失敗から学び、同じ失敗を繰り返さないと言われています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、非管理職の社員からシニアマネジメントチームまでが参加し、役職や世代を超えて心理的安全性を高めるグループワークを開いています。強みも弱みも言い合える強い組織づくりが狙いです。

心理的安全性の効果は?イノベーション創出や生産性が向上

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心理的安全性は「居心地がよい優しい組織」ではなく、上司や部下といった立場にとらわれずに、気兼ねなく意見を述べることができ 、高いパフォーマンスを目指すことが目的

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心理的安全性とは何でしょうか。提唱者であるハーバード・ビジネス・スクール教授のエイミー・C・エドモンドソンは著書「恐れのない組織*1」で、「心理的安全性とは、率直に発言したり懸念や疑問やアイデアを話したりすることによる対人関係のリスクを、人々が安心して取れる環境のことである」と説明しています。

なぜ心理的安全性が企業をはじめとする組織で注目されるのでしょうか。メンバーが不安なく発言できる状態になると、情報共有が頻繁に行われ、イノベーションの創出や、人材の定着などが期待できます。さらに業務の失敗も共有し、語り合えるチームになることで、同じ失敗を繰り返さない強いチームに成長するのです。

心理的安全性がある職場とは「居心地がよい優しい組織」のことではありません。上司や部下といった立場にとらわれずに、健全な意見交換や議論が闊達に行い、高いパフォーマンスを目指す組織を指します。

「上司が率先して変わるべきでは」 部下と上司のやり取りを議論 

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ジョンソン・エンド・ジョンソンでの心理的安全性を高めるグループワークを紹介します。

9月にグループワークを開いたのは、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品部門のヤンセンファーマ株式会社 研究開発本部ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部です。薬の効果や副作用の監視、安全対策を担う部署です。

企画した杉本佳奈美さんと桜井麻美子さんは「規制要件がある医薬品の研究開発の現場は、常に注意や慎重さが求められます。だからこそ、従業員が心理的安全性の高い状態で働き、自分の考えや意見を言えることが重視されます」と経緯を話します。

 
 

心理的安全性を高めるグループワーク企画・運営メンバー

  • ON NOW
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部 
    セイフティサイエンス&リスクマネジメント部
    杉本佳奈美
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部 
    セイフティサイエンス&リスクマネジメント部
    杉本佳奈美
  • ON NOW
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部
    戦略企画管理部
    桜井麻美子
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部
    戦略企画管理部
    桜井麻美子
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部
    戦略企画管理部
    桜井麻美子
  • ON NOW
    ジョンソン・エンド・ジョンソン
    日本法人グループ 産業医
    岡原伸太郎
    ジョンソン・エンド・ジョンソン
    日本法人グループ 産業医
    岡原伸太郎
  • ON NOW
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部 統括部長
    加藤俊哉
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部 統括部長
    加藤俊哉
  • ON NOW
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部 
    セイフティサイエンス&リスクマネジメント部
    佐藤太一
    ヤンセンファーマ株式会社
    研究開発本部 
    ドラッグ・セイフティ&サーベイランス統括部 
    セイフティサイエンス&リスクマネジメント部
    佐藤太一

 

 3回目になるこの日は、メンバー、マネージャーやディレクターなどの管理職ら約70人がオンライン参加。心理的安全性が保たれていない上司と部下の架空のストーリーについて、グループごとに意見を交わし、どうすれば心理的安全性の高い状態になるかを話し合いました。

ストーリーは次のようなものです。                                          
                                                            
ミッド・キャリアのAさんは、 アサインされたプロジェクトを完遂しました。Aさんは転職前の職場でも同様の業務を経験していました。 。Aさんは、かつて同じ業務を経験したことがある上長Bさんと1on1(上司と部下が1対1で行う面談)で振り返りを行います。。前職と比較し「ロールやプロセスを見直したほうがいいと思います」と切り出したAさんに、Bさんは否定的な発言で返します。最初こそ和やかだった1on1でしたが次第に緊張感があるやり取りになっていって…     

 
【心理的安全性グループワーク用 架空ストーリー】

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グループディスカッションでは、「Bさんは、ほめているようでほめていないと思う」「Aさんの言い方も厳しい。突然、前職を持ち出されて比較されるとカチンとくるのではないか」といった感想が参加者から上がります。

その後行われた全員でのディスカッションでは、望ましい対応の仕方について意見交換しました。

「否定的な意見を言われても、恐れずになぜ否定されたのかをコミュニケーションすることが大切だと思います」(メンバー)

上司が率先して変わるべきでは、という意見も出されました。

「『そもそも』や『いやいや』とか短い言葉でも否定的な言葉で返されるとショックを受ける。上司が適切な言葉遣いで掘り下げればいい議論になったと思う」(マネージャー)

「最終的にAさんが自分の考えを言えなかったことについては、AさんとBさんの関係性とともに、職場環境に問題がないかを考えなければならない」(ディレクター)

心理的安全性に不可欠な「4つの承認」とは?

 

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心理的安全性を確保することで、失敗を繰り返さず成長し続ける組織に

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ディスカッションで出たこれらの意見について、ジョンソン・エンド・ジョンソンの産業医・岡原慎太郎さんは「心理的安全性を高めるためには、4つの承認が不可欠です」と説明しました。4つの承認とは1つ目は存在そのものの承認、2つ目は行動の承認、3つ目は過去と現在を比較した成長の承認、最後に成果の承認がきます。

「一足飛びに成果だけを求めてしまうと、心理的安全性を保つことができません。うまくいっていない場合は承認の順番や比重を考え直してみてください」

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さらに岡原医師は心理的安全性を確保するためには、会話のキャッチボールを意識することが大事といいます。いきなり直球の言葉を投げる(ぶつける)のではなく、相手が受け取りやすい場所に投げて、対話を進めていく。

一方で、今回のシナリオのように「みんなこのやり方でやっているから」と自分の考えを押し付けてしまったり、話す順番を誤ったりしてしまうと、相手は心理的に不安全になってしまいます。話す側も聞く側も相互理解が必要だということです。

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今回のグループワークの責任者である加藤俊哉さんは「失敗した、という事実は変えることはできません。大事なことは早急に再発防止策を立て、組織に共有し、失敗を繰り返さないことです。心理的安全性を確保することで、失敗を繰り返さず成長し続ける組織にしたいと思っています」と話しています。

グローバル化が進み、チームで取り組む仕事が増えた今、メンバーが世代や役職を超えて、腹を割って話すことができれば、生産性向上だけではなく、働く従業員の満足度につながるでしょう。J&Jは今後もさまざまなアプローチで心理的安全性を高める取り組みを進めます。

参考文献

*1エイミー・C・エドモンドソン(2021年).『恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』.英治出版

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