ERG(Employee Resource Group)とは、特定のダイバーシティ領域に関する啓発などを行う、社員によって自発的に形成されたグループです。ERGの主な目的と活動は次のようなものになります。
日本におけるジョンソン・エンド・ジョンソンでは現在、以下の4つのERGが活動しています。
それぞれがテーマを設けた啓発イベントを実施するほか、対外ネットワークを通じたレピュテーション構築も行っています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンがERGの活動を推進・支援している理由は、企業理念である「我が信条(Our Credo)」にあります。
我が信条(Our Credo)には、企業の4つの責任を掲げており、それぞれの相手に対する責任を果たすことを約束しています。
ERGの活動では、我が信条(Our Credo)の4つの責任を果たすことを優先とし、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ & インクルージョン)の促進や啓発を自発的に行っています。
ERGの活動によって企業と社員にもたらされる効果は多岐に渡ります。
ERGの活動は、従業員のエンゲージメントと職場への帰属意識を高めます。共通の関心事やアイデンティティに基づくグループ参加により、社員はサポートされていると感じ、職場に対するロイヤリティが深まります。これにより定着率が向上し、優秀な人材の維持が促進されます。
ERGの活動を通じて、異なる背景や価値観を持つ人々が互いに学び合い、理解を深める機会が与えられます。組織内での多様性と包括性の文化が強化され、より公正で開かれた職場が実現します。
WLI(Women’s Leadership&Inclusion)は、1995年に米国で始まった女性のリーダーシップ推進活動で、女性の活躍を推進する多様で公正性のある、包括的な組織環境の醸成を目指しています。キャリア構築支援、イベントやワークショップの開催などさまざまな取り組みを行っており、性別に左右されない職場環境の実現に貢献しています。
ADA(Alliance for Diverse Abilities)は、障がいの有無に関わらず、ともに働く社員がそれぞれの多様性を認め合い、活かしあうことで最高のパフォーマンスを発揮できる職場環境を形成することを目指して取り組みを行う社員グループです。グローバルでは36カ国で約1,300人が活動に参加しています。日本では2019年9月に発足し、「四肢/内部/聴覚/視覚等の障がい」「自閉スペクトラム・ADHD 等」「メンタルヘルスへの取り組み」の3つのグループで、様々なメンバーが積極的に活動を行っています。
O&O (Open&Out)は、 LGBTQ+(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャル・クエスチョニングとそれ以外)に関する理解啓発と、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)文化の醸成に関する活動を行う社員グループです。日本では、アメリカ、カナダに続き世界で3か国目として、2015年に設立されました。
GenNOW (GenerationNOW)は、若手社員からベテラン社員まで約60人のメンバーで形成され、世代間の対話と組織の成長を促進するため、さまざまな活動を展開しています。
GenNOWは若手社員(メンター)が経営層やベテラン社員(メンティー)に助言する「リバースメンタリング」に注力しています。管理者であるベテラン社員が別部門の若手社員にアドバイスを受けたことで率直な声や複数のアイデアを聞くことができ、20代の社員は他の部署の動きをより深く理解し、将来のマネジメントに向けた学びを得ることができました。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのERGでは、目に見えない様々な違いにも目を向け、誰もが心理的に安全で働きやすい職場づくり・文化醸成を目指しています。社外のコミュニティとも連携し、さまざまな団体の公式のスポンサーになっています。
異なる年齢層の従業員間のコミュニケーションと理解を深めることは、異なる世代や部署との経験や知識の共有により、個人の成長をうながす他、豊かなビジネスアイデアや解決策を生む可能性があります。